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 📌アナリスト意見のバラツキ

行動ファイナンスへ

伝統的理論:合理的投資家

 伝統的ファイナンス理論では、金融市場における価格形成は、合理的な投資家たちによって行われるとされている。これらの投資家は、十分な知識と分析能力を備え、入手可能な情報を迅速かつ正確に処理し、証券価格に織り込むことができるとされる。

 このような枠組みにおいては、投資家の将来予測は合理的に収束するため、投資判断や証券評価には大きな違いがないと仮定できる。すなわち、予測の「正解」あるいは「コンセンサス」は、投資家たちが認識することになる。

 この前提は、たとえば資本資産価格モデル(CAPM)においても採用されている。CAPMでは、すべての投資家が同じ情報にアクセスし、同じ分析力を有しており、最終的に同じポートフォリオに投資することになる。投資家たちが1つの「正解」を認識するという設定である。

検証:アナリスト予想

 現実の金融市場において、投資家たちは本当に1つの「正解」を認識できるのだろうか。すべての投資家の意見を調査を行うことは無理であるが、その代わり、証券会社(投資銀行)のアナリストの目標株価予想を比較することが考えられる。

 アナリストは、企業の業績や財務状況、業界動向、マクロ経済状況などを総合的に分析し、半年先の株価目標を提示している。彼らはプロフェッショナルであり、豊富な情報にアクセスできる立場にあるため、一般の投資家よりも証券評価の「正解」を認識していると期待される。

 例えば、トヨタ自動車の目標株価について、7社の証券会社アナリストの予想(2024年5月〜6月上旬)は次の表の通りである。

3,000   3,200  3,200  3,200  3,100  3,200  3,200

表  トヨタの目標価格(7社、2024年5月〜6月)

 完全に一致しているわけではないが、予測値のばらつきは小さく、実質的なコンセンサスが形成されていると考えられる。これは、伝統的理論の前提である「合理的投資家の意見の一致」と整合的な事例といえる。

予想が不一致するケース

 一方、同時期のソフトバンクグループ(SBG)の目標株価を見ると、状況は大きく異なる。

11,000  12,960  8,770  13,600  11,000  7,780  12,000

表  SBGの目標株価(7社、2024年5月)

 上の表において、目標株価は11,000円前後のグループと8,000円前後のグループに分かれ、大きなばらつきがある。最高値と最低値の差は約6,000円とかなり大きく、同じ時点に同じ企業を評価したにもかかわらず、アナリスト間の意見に大きな開きがあることが分かる。

  注目すべき点は、この意見の違いは高い情報収集力と分析力を持つ証券会社のアナリストたち間に存在するものである。情報の質や分析手法が極端に異なるわけではないとすれば、これほどの意見の相違は、投資家たちの視点や見方にかなりの差異が存在し、同じ「正解」を認識しているわけではない事例である。

伝統理論と現実のギャップ

 このように、ある銘柄についてはアナリストたちの間でコンセンサスが形成される一方、別の銘柄では意見が大きく異なる現実は、伝統的ファイナンス理論の「合理的投資家」仮定が一律には成立しないことを示唆する。

 これらの理論と現実の間に、少なくとも以下の項目において、明らかなギャップが存在する。

項目    伝統理論   現実                  

投資家能力 合理的同等 能力と視点の違い

情報処理   即時正確  解釈や重視要素の違い

価格形成   合理的期待    不確実性や主観の影響


 伝統的ファイナンス理論における「合理的投資家による価格形成」という前提は、便利な分析の枠組みを提供するが、実際の市場参加者の意思決定や行動は理論設定に比べ、より多様で複雑である。この現実とのギャップは、行動ファイナンスの研究対象である。

 注目される企業や話題性の高い銘柄に対する将来の展望は、コンセンサスが形成される場合と見方が大きく分かれる場合がある。この謎に対して、行動ファイナンスの枠組みを利用して、情報の非対称性、行動バイアス、認知限界等の制約を織り込んだ究明が求められる。これらの作業から得られる知見は、実務への応用も期待されよう。

行動ファイナンスへ

🚩  日本ダービー

行動ファイナンスへ

 日本ダービーは、皐月賞、菊花賞と並ぶ牡馬三冠レースの一つで、毎年5月下旬から6月上旬の日曜日に東京競馬場で開催、3歳のサラブレッドが出走するG1競走である。今年は6月1日に開催され、クロワデュノールが優勝をした。

 クロワデュノールは、皐月賞でも2着に入る実力を持ち、ダービーでは単勝オッズ2.1倍の1番人気。なお、2番人気は5.7倍、3番人気は6.8倍であった。競馬において、馬の勝利確率を客観的に知ることはできないが、オッズの逆数は、参加者投票結果としての「主観的確率」とみなすことができる。この「主観確率」は、クロワデュノールは約48%、2番人気は約18%、3番人気は約15%の勝利確率である、と出走前に分かる。

 つまり、1番人気の馬券を購入することは、主観確率48%で勝つゲームにベットする。2番人気であれば18%、3番人気なら15%の確率のゲームに賭けることになる。ちなみに、15番人気の馬は単勝オッズ298倍であり、その逆数の主観的勝利確率は約0.3%と極めて低い。こうした馬券は一般に「大穴」と呼ぶ。

 ここで注目すべきなのが、人間の「確率認識のバイアス」である。プロスペクト理論によれば、人間は確率を正確に認識できず、とりわけ小さな確率を過大に評価する傾向がある。30%や50%といった程度の確率は比較的正確に捉えられるが、小さい確率は、実際よりかなり大きな倍率で感じる。そのため、48%のゲームは合理的に判断されやすいが、大穴馬へのベットは、強い確率バイアスによって非合理的な選択になりやすい。

 なぜ人は小さな確率を過大に認識してしまうのか。競馬においては、以下のような心理的メカニズムが影響していると考えられる。

1)利用可能性ヒューリスティック

 メディアなどで取り上げる「万馬券」や「大穴的中」のストーリーが記憶に残りやすい。印象的な出来事が「すぐ思い出せる」ために、その頻度や確率も高く見積もってしまい、大穴は実力以上にかがやく。このような印象の強さや思い出しやすさによって発生するバイアスは利用可能性バイアスを構成する。

2)ハウスマネー効果

 これまでの(一日の)レースで勝った人たちはある割合いる。彼らはすでに得た賞金を「自分の資金」と見なさず、「ハウスマネー(胴元の金)」と認識する傾向がある。人のお金を使うという心理状況は、よりリスクの高い選択にする傾向を作り出す。「勝ち金で勝負する」という心理的”余裕”が、大穴狙いの動機になり、大穴には実力以上の買いが集まることになる。

3)ブレークイーブン効果

 これまでのレースで負けた人たちは、損失を取り戻そうと、高リスクの賭けに出やすい。この「一発逆転」を狙って損を取り戻そうとする心理によるバイアスは、ブレークイーブン効果という。大穴の過度な人気は、このような損を取り戻そうとして無理にハイリスクにベットする資金に支えられている部分がある。


 これらの心理的要因によって、大穴の馬券に実力以上の資金が集まり、オッズが実力より低下し、主観的勝率が上昇する傾向になる。

 継続的に競馬に投資をするなら、高人気馬(=高確率のゲーム)に賭けた方が、成果が相対的に安定するかと思われる。一方で、大穴狙いは心理的、感情的な魅力はあるが、投資成果はかなり不安定で、損失のリスクは大きい。行動経済学・行動ファイナンスのフレームワークを利用する考察の結論は、直感的な感覚と整合的である。

行動ファイナンスへ

スタートアップのファイナンス New!

🔖ビジネスクロストーク     

駿河台探検へ

【公開講座】MBSクロストーク(全6回)

アカデミアと実業の垣根を超えたコミュニケーションの機会として、経営懇談会「MBS クロストーク」を開催いたします。

要申し込み


第1回 2025/5/10(土)19:00~20:30

「ソニーのサステナブルな企業価値向上を支えるM&AとCVC」

ゲスト:御供 俊元 特別招聘教授(ソニーグループ株式会社代表執行役 CSO)

司会:岡俊子専任教授

第2回 2025/6/21(土)19:00~20:30

「台湾有事に企業経営者はどのように向き合うべきか」

ゲスト:ジョセフクラフト 特別招聘教授(ロールシャッハ・アドバイザリー㈱代表取締役) 

司会:岡俊子専任教授

第3回 2025/7/19(土)19:00~20:30

「パラダイムシフト時代の経営」

ゲスト:岩本 敏男 特別招聘教授(株式会社NTTデータグループシニアアドバイザー)

司会:王京穂専任教授

第4回 2025/10/18(土) 19:00~20:30

「BIPROGYグループが歩んだ軌跡と照らし出す未来」

ゲスト:齊藤 昇 BIPROGY株式会社 代表取締役社長CEO  

司会:池田義典特任教授

第5回 2025/11/15(土) 19:00~20:30

「グローバル企業での学び」

ゲスト:井辻 秀剛 北陸コカ・コーラボトリング株式会社代表取締役社長

司会:橋本雅隆専任教授

第6回 2025/12/13日(土) 19:00~20:30

「企業内価値と市場価値、どちらを高めるか?」

ゲスト:内田 和成 ボストン・コンサルティング・グループ元日本代表、元早稲田ビジネススクール教授 

司会:首藤明敏専任教授

駿河台探検へ

覇王茶姫がナスダック上場

波動・パワースペクトル分析    New! 

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宜しくお願いします🔴

研究成果の積極的発信したいと思います。                 


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LINEの公式ページも間もなく開設。

 公開授業中止 

さくらサイエンス 明治大学🌸清華大学

下記イベントは中止とさせていただきます。関係者の皆様には大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。


     (プログラム担当)王京穂



さくらサイエンスプログラム

明治大学×清華大学  オープン授業

 

さくらサイエンスプログラムは、日本の科学技術学術振興機構が運営する国際人材交流プログラムである。プログラムの目的は、日本と世界の若手研究者や学生との交流を促進し、科学技術学術分野における連携の強化である。明治大学と中国清華大学のプログラムは12月17日から22日まで実施する。以下の授業を公開する。

 

プログラム名: 高齢化と介護―社会保障、金融とテクノロジーの応用

実施機関:   明治大学(MBS)

参加者:    清華大学社会科学学院の博士学生および講師 8名

場所:     明治大学アカデミコモン9階 309J教室


公開授業日程

12 月 18 日(水)

・ 9:00 開講式(オリエンテーション)

・ 9:30 日本のシニア市場(中島聡先生、MBS非常勤講師)

・11:00 成長産業とCCRCのビジネスモデル(山口不二夫先生、MBS教授)

・13:30 人生100年時代の金融サービス(王京穂先生、MBS教授)

 

12 月 19 日(木)

・ 9:00 在宅介護におけるロボットの応用

・10:30 日本の医療保険と介護保険(田中智恵子先生、MBS非常勤講師)

・13:00 日本の再生医療の現状紹介(刘婷先生、明治大学データアナリティクス研究所)

 

12 月 21 日(土)

・13:00 健康寿命と QOL

・14:00 修了式・交流会


第59回(2023夏)ジャフィー大会

 2023/8/19        第59回(2023年度夏季)ジャフィー大会で発表しました。

 「効率的市場仮説と混合反応プロセス」

 効率的市場仮説の検証に関するものである。混合反応(消化)プロセスの元に、ボラティリティの変動を軸に、MA-GARCH モデルを利用し、各国の株式市場の指数に対する検証を試みたものである。

ERM価値創造学会17回年度大会

2023/9/5         日本ERM価値創造学会17回年度研究大会で発表しました

  「ESG 格付と不祥事発生率  -ESG 指標の規模バイアス」

 ESG格付けの規模バイアスに関する研究である。


オルタナティブデータ協議会入会

2022/9/26  オルタナティブデータ協議会に入会しました

ERM価値創造学会16回年度大会

2022/9/7      日本ERM価値創造学会16回年度研究大会で発表しました

「ESG 経営と信用格付け」

ESGスコアと信用格付けの関係を研究したものである。

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