2025/2/18
重慶日本領事館を訪問しました。
重慶領事館の所管地域は 雲南省、貴州省、四川省、重慶市(云贵川渝) であり、広い地域をカバーしています。高田真理総領事が重慶をはじめとするこの地域と日本の経済・貿易関係 について講義をしてくださいました。
高田総領事は、日本と中国の交流の重要性を強調し、「学生たちにぜひ懸け橋になってほしい」と訴えました。特に、重慶のような日本との人的往来が少ない地域との関係強化が大事であると述べられました。
2024年の重慶のGDPは3.2兆人民元に達し、広州(3.1兆)を超えて中国で第4の大都市となりました。現在の為替レート(1人民元約20円)で換算すると、重慶のGDPは約64兆円 となり、日本のGDP(約609兆円)の 約10分の1 に相当します。これほどの経済規模の都市にもかかわらず、日本との人的交流は非常に少ない。総領事によると、重慶に駐在する日本人はわずか500人台、上海の3.5万人と比べると約二桁少ないのです。東京からの直行便も2024年1月末に再開されたばかりの中国国際航空だけです。
|高田総領事ご講義 photo 重慶日本領事館微信ページ
中国の主要都市のGDPと駐在日本人の数を調べました(日本人駐在者数は万人単位、香港のGDPは兆香港ドル、その他の都市は兆人民元)。
都市__ GDP__日本人数
重慶 3.2 0.05
広州 3.1 0.55
上海 5.4 3.47
北京 4.9 0.49
深圳 3.7 0.37
大連 0.95 0.31
蘇州 2.7 0.49
香港___3.1 __2.29___
職業病的に、各都市の駐在日本人数をGDPで割り、日本との関わりを示す“指標”を算出してみました。この指標をグラフ化すると、次のようになりました。
特に新しい発見はありませんが、1)上海、大連と香港と日本との関わりが非常に強い(0.3以上)、2)広州と蘇州は比較的高い(上位グループの半分の0,2程度)、3)北京と深圳は相対的に低い(広州などの半分0.1程度)、4)重慶はかなり低い(深圳より一桁小さい0.01程度)。これは、直感的な認識と大きく乖離することはありませんが、重慶と日本との関わりの低さは興味深い発見でした。
この“指標”が示す興味深い点は、西側諸国との交流が少ない都市でも、驚異的な発展を遂げているということです。従来、西側との結びつきが強い沿海都市が発展の中心と考えられてきましたが、重慶のように独自に成長を遂げた都市の存在が、中国の今後の発展を考える上で重要なヒントを与えてくれます。重慶はまさに 「未来のヒントを与えてくれる都市」 です。
高田総領事はSNSを積極的に活用し、地元の人々との交流を深めています。街中で声を掛けられたり、写真撮影を頼まれたりすることも多いそうです。学生からも大変親しみやすい方であるとファンが多いです。